投資家の皆様へ

株主の皆様には平素より格別のご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
2021年3月期の事業概況についてご報告させていただきます。

当期は、新型コロナウイルス感染症の拡大による社会経済状況の不安定さが目立つ一年でしたが、運用中タイトルが想定を上回る水準で好調に推移したほか、不採算タイトルへの対応も着実に進み、主力のコンテンツ事業の収益性が一層向上した結果、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益のいずれも創業来最高となるなど、着実な成長を確認できた一年となりました。
コンテンツ事業以外でも、音楽領域での新たな取り組みである「AKROGLAM」、ゲームタイトルの運用・開発で培ったノウハウを活 用した「負荷テストサービス」、twitter上でのプロモーション支援サービス「Rooot」がローンチするなど、新たな事業領域での事業開拓が進み、将来への投資の成果が結実を始めた一年でもありました。

<ゲーム事業>
当事業セグメントはゲームの開発・運営が主要事業となっており、他社IPゲーム及びゲームプラットフォーム並びにオリジナルIPゲームの開発・運営を行っております。他社IPゲームにつきましては、当期をつうじていずれのタイトルも安定的にユーザーの支持を集め、順調な推移を維持しました。オリジナルゲームにつきましても、配信開始から10年を迎える長期運用タイトル、及び前期末に譲受したタイトル「ぼくとドラゴン」を中心に売上水準を維持し、安定的に業績寄与しました。運用タイトルの増加、及び運用中タイトルの順調な推移を受け、売上高は前年同期比で増加いたしました。利益につきましては、昨年より注力している不採算タイトルへの対応が一層進んだほか、運用効率化及び足元の経済情勢に鑑みた費用抑制の影響もあり、費用が前年同期比で減少した結果、営業利益は前年同期比で増加いたしました。
2022年3月期におきましては、残る不採算タイトルの収益性の改善に注力するほか、下期にリリースを予定している複数の新作タイトルの確実なヒットをつうじ、売上・利益の両面での拡大を目指してまいります。

<メディア事業>
メディア事業では、次世代の主力事業創出を目的とした取り組みの一環である『DRIP(Drecom Invention Project)』のもと、2018年8月に発表した位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム『AROW』等、当社の有するインターネットサービスの知見を活かした新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねました。2020年9月には音楽領域での新たな試みである『AKROGLAM』、2021年1月にはtwitterを活用したマーケティングサービス『Rooot』や当社が過去大規模サービスの開発・運用から培ったノウハウを活かした「負荷テストサービス」をローンチするなど、開発を進めていた複数のサービスの提供が開始されております。当事業では、今後も先進的かつ将来性のある領域で、当社の優位性を活かした事業の創出に向け取り組みを進めてまいります。

京都大学の学生だった私が2001年に設立した当社は、2021年11月で創業20年を迎えます。創業当時の主力事業であったブログサービスから、現在の主力事業であるソーシャルゲーム事業まで、時流の変化にあわせて提供するサービスは大きく変化してきましたが、どのサービス・事業も創業以来の当社のアイデンティティである「with entertainment~期待を超える」を体現した「ドリコムらしさ」の溢れるサービスであったと自負しております。新たな技術の応用、普及が進み、世界が一層劇的な変化を遂げるこれからの時代において、引き続き「with entertainment~期待を超える」の精神を大切に、世の中の変化を担い、世の中に驚きと喜び、そして幸せを届けるサービス・事業の創出に向けて邁進してまいります。

今後とも一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。