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2017年11月24日

ゲームを作って10年。今がやっとスタート地点~2017年度第二四半期MVPインタビュー~

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今回は「2017年度第二四半期MVP」をご紹介します。

 

2017年度第二四半期MVP」はゲームデベロップメント統括部、松尾貴浩さんでした!!

 

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周囲から達観していると言われるほどの松尾さんの仕事に対する向き合い方は、まさにインタビュアーにとっても「教訓」そのものでした。

今回はその内容をご紹介したいと思います。

 

「ゲームをつくる」ではなく「ゲームで産み出す」

(インタビュアー)--2017年第二四半期MVP受賞おめでとうございます。

2度目の受賞となりますが、受賞された時の感想をお聞かせください。

 

(松尾)「ありがとうございます。今回の受賞は自分がしてきたことが色々な人に「価値が届いた」結果だと思っているので、良かったです。売上げも指標ではありますが、世の中でたくさんの人がゲームをプレイしてくれるということは、

自分が関わって産み出されたものの成果ですからね。」

 

--「ユーザーに価値が届いた」ことへの評価、ということですね。

 

「ユーザーももちろんですし、一緒に働いているチームの仲間もそうですね。

ユーザーに関していえば、ゲームでユーザーが楽しんでいる状態をつくるのが、自分たちの仕事です。

求められていることは、つくったものがユーザーの手元に届いた状態が価値のある状態であり、その状態を産み出すことです。今は1タイトルに関わることと平行してゲーム開発監督プロジェクトも担っているので、すべてのゲームアプリの開発に関わり目を通しています。

自分の考えでは「ゲームをつくる」ことと「ゲームで産み出すこと」は話が別で、自分たちの仕事は後者。

これはユーザーがゲームアプリを使って楽しんでいる状態をつくる、ということです。」

 

--開発したゲームの先にいるユーザーを見ているんですね。

 

「それができないと、ゲームはつくれないですよ。例えばゲーム内の表示がどうなっているのが正しいのかもわからない。

どんなに機能が充実していても、「見やすい」「使いやすい」が正確に配置されていないと、「楽しい」には繋がりません。

実際自分でも、実費を投資して自分たちが開発したゲームをやっています。自分のお金を使って自分が楽しい、やりたいと思えるイベントじゃないと、ユーザーも参加しませんよね。

(※今回のMVP受賞賞金も全額ゲームでの課金に使ったそうです笑)

そしてゲームのクオリティ向上には、ユーザーからの「フィードバック」が必要不可欠です。個々の施策については成功も失敗もなく、すべてはそこから得られる「フィードバック」によって意味づけられるものです。つくり手はフィードバック量を最大化し、どう活用するかを考えることが最も大切だと考えています。」

 

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チームに対する想い

--表彰式のコメントでも「いっぱい失敗していることが良かった」と話されていましたね。

それは仲間と共有することで失敗を回避していける、という感覚ですか?

 

「違います。自分は経験をしたので伝えることはできますし、こういう時はこうした方がいい、ということは言いますが、失敗はした方がいいんですよ。経験していないと体感としてわからないので、差分が取れず経験値は上がりません。人がなぜ失敗を回避したがるかというと、失敗の結果と自分がしたことを紐づけてしまうからです。

でも自分たちはチームで動いていますから、自分が失敗したことに対してもっと周りの力を借りられなかったのか、他の人の失敗に対して自分がもっと何かできなかったのか、という話をすることに意味があるわけです。失敗に対してチームの各個人が、自分だけを責めたり自分だけが頑張らなきゃいけない状態になってしまうことは避けなければなりません。」

 

--今も各プロダクトの仲間が動きやすいように状況を整えられていますね。チームに対する松尾さんの考えを教えてください。

 

「チームというのは、AができるけどBができない人、BはできるけどCができない人など、できることとできないことを持っている人達の集合体ですよね。チーム全体の総和で1つのものをつくり出しているわけです。チームに必要な人とは、目標に対して貢献する意識があるかどうかだけです。できるかできないかは関係ない。チームにおいて足りない技術があるならば、学びの期間を設ける。できなかったらどう穴埋めするかをみんなで考え実行する。みんなで判断ができないようなら自分が判断するし、判断できるなら任せます。ディレクターは基本的にチームの業務速度を上げることを考えますが、できないことを責めるより技術を習得してもらったり、無理やり出勤させるより個人のペースを尊重する方が、結果的に業務速度は上がります。」

 

--なるほど。松尾さんはディレクターの職務につかれていますが、ディレクターにとって重要なものは何だと考えますか?

 

「ディレクターにとって一番重要なのは「失敗」です。細かく言うなら「フィードバック」ですね。先にも失敗について話したとおり、ディレクターこそ経験値がないと無理なんです。例えば自転車に乗れるようになるまで、何度も転びますよね。それで乗れるようになる。初めから転びもせずに走り出すなんて無理なんです。それと同じ。失敗して、踏ん張って、それを繰り返すことが重要でなんです。チームに対して「やりたいことをやればいい」というスタンスを持っているのもそのためです。失敗したらその状況に対してチームメンバーがしっかり向き合ってほしい。それができないと、それ以上のことは産み出せないと思うんです。」

 

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趣味は「仕事」で世話やき

 

--松尾さんは切羽詰まった状況の中にアサインされることも多いと思いますが、そこをクリアしていく原動力は何ですか?

 

「原動力は特にないです。そもそも、仕事を頑張っているつもりもないんです。例えばみなさん時間ができたら、旅行に行って観光したり、ゲームを夜通しやったりしますよね。自分にとっては仕事がそれと同じなんです。仕事とも思っていません。ただ自分がやること、としてやっているだけです。人間の行動心理としても、誰も求めていないことはやらないですよね。自分の場合、求めに応じて動いている、という部分は大きいです。」

 

--仕事とプライベートとの間に垣根を持たないんですね。急な休みがとれたら、何がしたいですか?

 

「休みの日は体力回復のために眠ってのんびりしていることが多いですが、急な休みができたら会社でゲームをやっています。根っからのゲーム好きというわけではないのですが、それをやっていないと、次に依頼が来たときに何もできないんですよ。」

 

--まさに「趣味は仕事」なんですね。

 

 松尾さんが今の仕事スタイルにたどり着いた背景を教えていただけますか?

「深く考えたことはないですが、初めの仕事は建築会社を起業し、。もともと世話やきで、職人の世話をやいて成果を上げる仕事をしていました。

今、自分の仕事はゲームディレクターなので多方面からいろいろなことを言われますが、自分がすべての吸収剤だと思っています。会社、ユーザー、現場の仲間それぞれに意見があって、すべてをひっくるめて自分は何とかするだけです。どこか一方だけの話を聞くと、他が悲しい目に合う。すべての意見が叶うかはわかりませんが、ただひとまず引き受けます。そしてできないことに対しては、今より良くするための活動をする。これからもこれを続けていきます。」

 

--今も昔も全体の最適を考えて各所を調整するという動きはあまり変わらないんですね。

 

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ドリコムゲームの証人

--ドリコムに入社したきっかけを教えてください。

「建築会社をたたんだ後、株式会社ジェイケンに入社しました。半年後にドリコムの子会社となり、時期をみて入社しました。そこからずっとゲーム開発に携わっています。ドリコムのゲームの歴史は、mixiのオープン化から始まりますが、一番最初にmixiに出したゲームは「能力大学 漢字テスト」というものなんです。その時は10人ほどメンバーがいましたが、今その時のメンバーで今もドリコムのゲーム事業に残っているのは自分だけです。ゲーム単体でみると、ゲーム事業で最長ということですね。」

 

 

--ドリコムのゲームの歴史をずっと見てこられたんですね。今後、目標としているものはありますか?

 

「これからも、生きているものを産み出すことを続けていきます。自分はゲームをつくって10年経ちますが、今がやっとスタート地点です。すごいと言われているゲームに携わっている人たちは、みんな10年以上の経歴があります。それくらい長い時間踏ん張ってゲームをつくる過程と結果の因果関係を理解してこないと、「すごい」と言われるものは産み出せないんです。」

 

 

 

あとがき

インタビューの開始時は少し斜に構えぶっきらぼうに受け答えしていた松尾さんでしたが、時間が進むにつれて「黒歴史」と言いながら過去の色々なお話も楽しそうに語っていただけました。また、お話の一つひとつにとても納得感があり、その場に漂う雰囲気からは松尾さんの「世話好き」「仕事好き」と「話し好き」が垣間見えた素敵なインタビューでした。

自分がチームに入ったらどうなるんだろ?どんな失敗を通じて「どんなものを産み出してゆくんだろう?」考えると、ドキドキですがワクワクですね。

そんな彼のいるドリコムであなたも働いてみませんか?

 

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<松尾 貴浩プロフィール>

小学生の頃、パソコンを持っておりベーシックなプログラミングを完全独学で始める。パソコン系の専門学校に入学するころには殆どできる状態までマスターする。

その後、建築会社を起業。従業員のスケジュール管理などを行う。「今より働いていた」と語るこの時期に朝早起き体質を身に着ける。

数年後、会社をたたみ株式会社ジェイケンに入社。後にドリコム子会社となるも一旦離れ、のちにドリコムに入社。

ドリコム初のゲーム「能力大学 漢字テスト」を開発し、以来今日までゲーム開発を務め続けている。ゲーム事業において最も長く携わっている人物。

2014年第二四半期にもMVPを受賞しており「松尾さんに助けられた人はそこら中にいる」と言われるほど多方面で力を揮う。現在はリリースされるすべてのゲームアプリのクオリティ向上を目的としたゲーム開発監督プロジェクトを推し進めている。